明日の自分を生かす力を蓄える、五感に訴えかける心理トレーニング（3/3）

五感を使った“脳のイメージ力”を高めるトレーニングで、明日の自分を生かす力に

　尾崎さんのセッションの特長は、言葉で伝えるだけでなく、五感を使ったワーク。本人が自覚していないケースも含め、その人が本当に必要とするものを引き出すことに努めます。

　「自分自身の思いを言葉にするのは難しいもの。そんな時には、カラーセラピーの手法を併用して、混沌とした胸の内を視覚化し、言葉の代わりにして解き明かしていくこともあります」

　視覚や聴覚に働きかけ、心と同じく固まってしまいがちな体を動かして、「脳のイメージ力」を高めるトレーニングを行います。
　身近な物を見たり触れたりしながら、「物の見方は一つだけではない」という体験を繰り返し、ネガティブに傾きやすい考え方を転換。実践的な訓練により、潜在意識を呼び覚ましていきます。

　「例えば“笑顔の筋トレ”もその一つ。『心から楽しくなければ笑えない』という思い込みから解放し、楽しいイメージを浮かべることから現実を引き寄せ、主体的に気持ちを変えていくことを目指します」

　今後は他にも系統だてたコースの設定も検討しているという尾崎さん。
　「人の心は単純ではありません。私自身、何かの要因で、また立ち止まってしまうかもしれないという不安を完全にはぬぐえないのです」
　
　そう話す尾崎さんが続けている毎日のルーティンは「感謝の記録」。
　「言葉の力は外の世界を変えます。毎日の小さな出合いに感謝、その一つ一つを書き出すだけで、明日の自分を生かす力が少し蓄えられるように思えるのです」

（取材年月：2023年10月）

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