最高ランクの宝石を卸価格で提供し、宝石の資産価値や利便性を多くの人に伝えたい（2/3）

始まりはインドでの運命的な出会い。信頼関係を礎に宝石の製造卸業を拡大

　川本さんと宝石の出合いは30歳の頃でした。
　「ジャイプールという宝石で有名な街を訪れた際、インドを代表する伝説の宝石商と運命的な出会いがあり、その後もドラマのような展開で、ヨーロッパや中近東の王族を顧客に持つようになり、やがてクリスティーズ、サザビーズといった世界的なオークションでも販売するようになりました」

　国内でも地道に販路を増やし、事業を拡大していった川本さん。「お金があれば通用する世界ではなく、信用が何より大切。買い付けも販売も、信頼関係がなければ成立しません。海外のどんなクラスの人とつながるかによって仕入れ値が数倍違うので、海外直輸入だから安いという単純なことでは決してありません」と力を込めます。

　「当たり前のことですが、絶対にうそを言わないこと、本当に良いものだけを取り扱うこと、欠点も含め全て正直に話すことを常に心掛けています。質の高い宝石を、相場よりもお安くご提供することで、多くの方に手に取っていただけたらうれしいですね」

　2023年9月にドバイの国際宝飾展示会に出展した際は、サウジアラビアの同業者から、「あなたのところはミュージアムだ」とクオリティーに対し賛辞を贈られたそう。
　「振り返ると、小さい頃からきれいな石を集めたり、鉱物の標本を眺めたりすることが好きでした。母に言われるまですっかり忘れていたのですが、小学校の卒業文集には『宝石商になる』と書いていたんですよ」

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