お一人お一人に、丁寧に向き合い、右脳に働きかける言葉がけで悩みの本質に気づきを与えていく（2/3）

認知行動療法で、人間関係のストレスをセルフコントロール

　山本さんのカウンセリングの基本姿勢は、「自立支援」です。「認知行動療法という手法を用いて、自分の思考パターンに気づき、行動を変えていくことで課題を解決し、自己成長できるように支援していきます。また、介護などをやり過ぎてしまう人には“いい加減”をアドバイスしたり、呼吸などでイライラや怒りをやり過ごす方法を身につけてもらうようにしています。セルフケアで自分の気持ちや行動をコントロールできるようになることが、自立につながります」

　こうしたアプローチで、自分を受け入れ、許せるようになると、他人に対しても「容認」できるようになり、対人関係のストレスも軽減できるそうです。

　相談に来たいときに来ればいいというスタンスで、お一人お一人に丁寧に向き合い、寄り添う山本さん。1回でクリアしていく人もいれば、1つ課題が解決すると、また別の課題に直面して、足かけ20年の付き合いになる人などさまざまですが、「クライアントが一歩踏み出す姿を見たときには、この仕事にやりがいを感じます」と話します。

　Loop研究所という名前には、「お一人お一人が健康で明るく生きてほしいという私の願いが実を結び、元気になった方がそれを誰かに伝え、大きなループになればいい」という思いが込められています。山本さんは、自身の理念を届けるべく教育カウンセラーとしても活動。教職員などに向けて「子どもに伝わりやすい言葉がけ」といったテーマで講演、セミナーも実施しています。

＜次ページへ続く＞

【次ページ】若者や子育て世代の支援を含めて、子どもを守りたい

次のページへ