一人一人の個性に合った勉強法で学力を伸ばし、自立した生き方をサポート（2/3）

教える側の価値観を押し付けない、生徒に共感できる学び舎を目指して

　楊井さんが、開校から三十余年の実績を持つ同塾の経営権を得たのは2008年。阪急逆瀬川駅に直結という利便性はありましたが、大手を始めとする学習塾が競合するエリアで、生徒獲得には苦戦したそうです。

　「しばらくして、入塾する生徒にある傾向が見受けられることが分かりました。学力が平均より下回っていたり、不登校であったり、発達障害があるためなかなか受け入れてもらえない。そんな行き場のない子がやって来るのです」

　楊井さんは、「受け入れてもらえない子どもたちを、なんとか救いたい」という使命感にかられます。
　「もともと心理学に興味があり、カウンセリングの勉強をしていました。私たちのもとに集まる生徒の話を聞くうちに、発達障害がある子どもを支援する『特別支援教育士』という職種があることを知り取得しました。また、2021年には公認心理師の資格も取得しました」

　近年は、教育改革の一環で、自分の考えを言葉にして伝える言語能力や思考力を問うカリキュラムが組まれるようになりました。ただ、中には苦手で戸惑う子もいます。

　「生徒に寄り添うために、先生の採用は学習面で困った経験がある方を中心に採用しています。当塾では生徒の気持ちを理解し、共感できるかどうかが肝となります。その上で心理学やキャリアの専門家として、先生の適材適所や生徒との相性も考慮しています」

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