ロープを頼りに、ビルやマンションの外壁補修、調査。緊急案件も対応（3/3）

足場不要で外観を損ねず、工期短縮。狭い場所の作業実績もあり

　奥平さんが現在の道に進んだのは18歳の時。「父がビルのメンテナンス業をしていて、私もアルバイトで手伝っていたんです。ロープを巧みに操り、さっそうと窓ガラスを拭く姿に憧れ、興味を持つようになりました」ときっかけを話します。

　家業を法人化し、自身が代表に就いてからは取引先が次々と案件を紹介してくれたこともあり、ロープアクセスへと事業の軸足を移していきました。
　「特殊な職種だけにご存じの方が少なく、お客さまから『こんな人を探していた』と手を取られることもしばしば。私たちが社会に求められていることを実感しましたね」

　専門性を伴うサービスとして潜在的ニーズは高いけれど、一般的な認知度はまだまだと分析する奥平さん。より多くの人に自分たちの存在を知ってもらい、実践で役立てたいと、営業や情報発信にも力を入れます。動画サイトのYouTubeとSNSツールのInstagramでは、作業の様子や自社の取り組みなどを紹介しています。

　「会社も、今は父親と2人で切り盛りしている状況です。今後は若いスタッフを入れ、技術を教えていきたいと考えています。はまると本当にはまるのがこの世界です。面白さや奥深さを伝え、仲間を増やしたいですね」と夢を膨らませます。

　業務内容について細やかに説明し、仕事へのこだわり、やりがいをはつらつと語る奥平さんの言葉には、誇りと充実感がにじみ出ています。ロープアクセスが広く普及し、町のあちこちで見られるときが、近い将来訪れるかもしれません。

（取材年月：2022年2月）

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⇒足場の組めない高所での、高い技術と安全性を追求した作業