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香川浩司

特殊清掃、ゴミ屋敷清掃、遺品整理の専門家

香川浩司(かがわこうじ) / 遺品整理業

株式会社L.A.P東海(こころテラス東海)

コラム

溜め込み症候群をご存知でしょうか?

2022年1月31日 公開 / 2024年3月27日更新

テーマ:ゴミ屋敷 汚部屋 ハウスクリーニング

コラムカテゴリ:くらし

コラムキーワード: 特殊清掃ハウスクリーニング特殊清掃 業者

「ため込み症候群」とは


今回は、本人以外の方からゴミ屋敷清掃・汚部屋清掃を依頼される場合に、その依頼人(ご親族)から「なんでこうなるのか判らない」「なぜ、出したものを元に戻せないのだろう」「親のしつけはもちろん、本人がルーズなのでしょうね」等のお言葉を聞くことが有ります。
実は、物が多くて片付けられない人や、ゴミ屋敷、汚部屋にしてしまった方は、もしかすると「ため込み症候群」かもしれないのです。
単に「だらしがない人」ではなく、もしかすると「病気」なのかもしれません。
もちろん、ご高齢でゴミ出しがなかなか出来ない方や、認知症の方も同様にゴミ屋敷・汚部屋になることが有りますが、こう言った方とは別としてお考え下さい。

実は、アメリカの精神疾患診断マニュアルには、強迫神経症から独立して、精神疾患の1つのカテゴリーに「ため込み症候群」が規定されているのです。
ある統計によれば、人口対比で約2~5%の「ため込み障害」者がおり、男女比はほぼ5対5なのです。
一般に、20代からその傾向が見え隠れしだしますが、日本では本人が受診するのは、40~50代が多く、ため込み行為がかなり深刻化し、それを心配した人から受診を勧められ、精神科医の戸を叩くようです。
「ため込み障害」の方は、自分の家や部屋に物やゴミが多く、問題が深刻化していても、これを認識しにくくなっています。
またこの障害の場合、ため込むのは「物」とは限りません。
場合によっては、ペットの多頭飼いなどもこれに当てはまります。
家の中に、1匹や2匹ではなく、10~20頭、それ以上のペットを飼い、世話が出来ないキャパシティ越え(多頭崩壊)のいわゆる「猫屋敷」「犬屋敷」も実はため込み障害なのです。

通常、その人がどんな人なのか?については、その人の部屋に行けば、かなり判るはずです。
物が非常に多く、ごちゃごちゃしており、色々な物が色々な所にある人は注意が必要です。
普通の人は、捨てるべきものは、その都度捨てているので、ごちゃごちゃする事はまずありません。(部分部分はあっても)
もし、自分含め、身近な人が「家を片付けるように指示」、または「どうしても片付けないとならない事があるのに、片付けられない」場合、以下の「ため込み症候群」のチェック項目に当てはまっていないか確認してみてください。

溜め込み障害の予備軍見分けチェック項目


・物を捨てる事に抵抗感が強い。(もしかしたら、後で使う必要があるかも。 過去の思い出を捨てられない。)

・持ち物に感情的な思い入れをしやすい。(記念品化、購入した際に高価だった等)

・家の中はモノが溢れ、台所で調理も出来ないようになっている。

・物を捨てる事を考えること自体、嫌悪感、又は非常にもったいないと思っている。(まだ使える)

・家や部屋で、大切な物、必要な物が、いくつも見つからない。(いろいろな物が、色々な所にある。例:玄関に調味料。)

・生ごみに対処をしておらず、衛生面で問題が発生している。

・通販をよく利用するが、届いた箱は開封せずにそのまま放置されている。

・古い新聞、雑誌が山積みになっている。

・空の段ボールが沢山ある。

・財布がレシートやポイントカードで一杯になっている。

・なんでも先延ばしにしやすく、優柔不断、自分に甘い。

・無くなるのが心配で、同じものを沢山買っているが、使わず放置されている。(食品は期限切れが多い)

・社会との接点が少なくなってきている。

・車の中にも沢山の物があり、人を乗せられない。
・床に沢山物が置いてある。(買い物した袋がそのまま放置等)

まとめ


どうでしょうか?当てはまる項目が多いほど、ため込み障害の可能性が高いと思います。
ただ、先にも記述したように本人は、「問題が深刻化していても、これを認識しにくく」なっていますので、周りの診療所への通院のアドバイスも大切になってきます。

ため込み障害の方は、家や部屋が、ゴミ屋敷や汚部屋、猫屋敷、犬屋敷になり、精神面・衛生面で酷い状態になっても、自力でその状況を変える事は、まず難しいと言われています。
これは「ため込み行為」に問題がある事を認識しにくくなっている事から、ため込まれている状態に囲まれていた方が、逆に安心してしまうという心理的側面がある事もその難しい理由の一つです。
こういった場合、実は本人の心の平静が脅かされるのは、そのゴミの山を処分する時になった時です。
よくTVで報道されている「ゴミ屋敷」は、モノを拾ってきて貯めるタイプの方ですが、このパターンが当てはまるので、周りの住民からの苦情により、行政や報道から撤去の指摘を受けても頑として片付けないのです。
逆に「物を片付けないといけない」と常に心に負担がある方は、ため込み障害でもまだ病気の軽い人だと言えます。
ため込み障害が深刻化すると、家の中が物で溢れ足の踏み場もない状態の場合、火事が起こった際はもちろん、積みあがった物に押しつぶされるという事もあるので要注意です。

正直に申して、ため込み障害の場合、精神科を受診し、相談又は治療を受けたほうが良いと思っております。
家の中を片付ける為には、心理療法で「自己の思考、行動パターンの不合理」を解決してゆくことが必要になります。
日本は、アメリカほど精神科を受診することが非常に少ない国です。
これは精神科を「きちがい病院」等と呼んだり、小さい時から自然に「なってはならない病気」「恥ずかしい病気」という認識が日本人に根強いからだと思います。
ですから「だらしない人などと言う個性」や「生活態度の問題」ではなく、「ため込み症候群」を誰でもなる可能性のある「病気」と考え、周囲の方も受診を勧めてあげるなどのサポートして頂きたいと思っております。
ため込み障害の方が、治療により、物をため込まなくなるようになり、精神面・衛生面で快適な生活が送れるように願っております。

こころテラス東海は遺品整理、生前整理での「ゴミ屋敷」「汚部屋」の不要物撤去と、キッチン、トイレ、浴室、床などの清掃でサポートします。
また「ゴミ屋敷」「汚部屋」の見積の折には、上記のような「ため込み症候群」に当てはまるのかどうかを、お聞きください。
その場合は、正直にお答えいたします。
家財撤去後、治療で、綺麗になった部屋を再度汚すことの無いようになって頂ければ、大変幸いです。

この記事を書いたプロ

香川浩司

特殊清掃、ゴミ屋敷清掃、遺品整理の専門家

香川浩司(株式会社L.A.P東海(こころテラス東海))

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