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コラム

「入札DX」とは何か? ①

2023年11月7日 公開 / 2024年5月29日更新

テーマ:入札DXの真実

コラムカテゴリ:ビジネス

はじめに

いきなり「入札DX」と聞いて、理解できる人は少ないでしょう。
それは、この言葉は著者の造語だから当然です。
では、なぜ「入札DX」という造語を作ったのかと言うと、入札は国民、市民、つまり日本で生活しているすべての人に関わる制度でありながら、その中身を知っている人は希少です。

一方で、「DX(データトランスフォーメーション)」は最近のトレンド用語で、企業だけでなく官公庁や自治体におけるデジタル化を進め、仕事や生活の利便性と効率性を向上させ、より良い社会を形成することを目指しています。

では、なぜ「入札+DX」なのかについて説明します。

入札とは?

既にご存知の方もいるかもしれませんが、簡単に入札について説明します。
今回の入札については、企業の入札(調達)ではなく、省庁、自治体、独立行政法人の入札に焦点を当てています。

それでは、入札について説明します。入札は、国、地域、行政関連機関が調達を制度化したものです。一般的な役所と呼ばれる機関は多くの仕事を抱え、様々なサービスを国民や市民に提供しています。
そのためには様々なことを実行する必要があり、残念ながら行政機関だけでは施設建設(学校、美術館、市民ホールなどの建築物)、公共工事(道路、水道、環境などのインフラ)、物品(食品、パソコン、楽器、ドローンなどの製品)、役務(市場調査、政策提案、公的イベントなどのサービス)など多岐にわたります。
したがって、これら多種多様な調達を外部(企業や個人事業主)から行うことで、経済的に効率の良い活動と運営が行われています。

ここで重要なのは経済性であり、この経済性は予算を守り、無駄な負担をかけないために制度化されています。
つまり、入札は国や地方自治体、独立行政法人などの運営において、予算に基づいて入札(調達)を行うものであり、その制度の特性として、公開、平等、誰でも参加可能な開かれた性質が基本理念として採用されており、各種法律や通達によって運営されています。

その理由は、予算の源泉は国民や市民の税金であるため、一部の人だけが恩恵を受ける制度ではないからです。詳細については、今後説明しますが、今回は概念の理解だけをお願いいたします。

皆様に理解していただきたいのは、入札は皆様の努力と納税
によって支えられ、現在だけでなく、将来にわたり、社会で活躍する人々にとって、安全で平等で充実した生活を築くための制度であるということです。つまり、入札は私たちの関与が非常に重要で、それは他人事ではなく、自分たちの制度であるということです。

入札の流れについて

次に、「入札DX」については後ほど詳しく説明しますが、まず入札の基本的な流れについて説明します。入札の一般的なプロセスは以下の通りです:

①議会を通じて各種予算の策定、議論、決定
②予算の承認
③予算の配布
④入札公告
⑤入札(入札公開)
⑥落札決定と契約
⑦契約
⑧納品や納入
⑨検査や監査
⑩受注者への支払い

これは大まかな流れで、入札には入札前と入札後の段階があります。
一般的に「入札」と言われているプロセスは、上記の④から⑥の段階に該当します。
①から③は国民や市民の代表である議員によって行われる予算案の策定と承認のプロセスです。
⑦から⑩は行政職員によって実行されます。この流れは行政主導のものであり、今回は私たちの関与については別途説明します。

入札の歴史について

入札契約制度は、江戸時代に請負業が成立し、入札が行われるようになって以来、明治時代を経て現在に至るまで、談合や不正を防止するために多くの修正を経てきました。
入札の歴史についての概要をまとめたので、以下をご参照ください。
※画面を拡大する場合は画面をクリックしてください。

入札の歴史から分かる通り、入札は談合や不正を改善してきた歴史があります。
言い換えれば、平等性と公正性を実現するために、現在では国際的な視点からも対応が求められています。

入札DXとは何か?

先に述べたように、「入札DX」は造語です。
今回、「入札DX」について新たなキーワードを提案した理由は、多くの人がスマートフォンを手に持っており、それを通じてSNSを使ったコミュニケーション、動画を使用した教育、調査など多くの生活活動を支援していることからきます。

デジタル時代に生まれた人々にとって、スマートフォンは当たり前のデバイスであり、私たちの時代の電卓やテレビスイッチと同じように一般的です。

ただし、コミュニケーションや行政との関係は一方的であり、古い慣習や過去の実績に依存しており、時代に取り残されている側面もあります。入札はしばしば「昭和の仕組み」と揶揄されますが、時代は変化し、環境も変わっています。
このことに気づくことで、行政との関係性を強化し、参加型の制度を促進するために「入札DX」を提唱したのです。

入札DXの理念は以下の通りです:
・]公開と平等を育むためのデジタル化
情報弱者を置き去りにしないライフガイドライン
いつでも、だれでも使える開示型入札ビッグデータ

今後、理念の変更や追加が必要に応じて行う予定です。

次回は、「入札DXを実現する入札情報サービス」について説明します。

この記事を書いたプロ

青柳恭弘

事業拡大をサポートする入札コンサルタント

青柳恭弘(EAIラボ)

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