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コラム
実は中身が腐っているレモンを売る者は無くならない。セールストークを鵜呑みにしない
2024年4月15日
レモンを販売する生産者はそのレモンが実は中身が腐っていることに気付いている。
見かけが厚い皮で覆われているレモンは外見から中身の状態はわかりません。
このように保有する情報の量に差異がある事象については「情報の非対称性」とも表現されます。買手、消費者は無知であるとプロに騙されてしまうケースも発生するわけです。
これは2009年10月に、筆者が連載していた社団法人企業研究会の記事の引用です。
特に金融業界においては、このような「レモン」事象は存在し続けています。
過去にはサブプライムローン関連商品、一部のヘッジファンド、最近では一部の仕組み債、一部の外貨建て保険。
そして今のところ問題になっていない一部の「元本確保型投信」。
これから問題となる可能性を秘めた一部の「プライベート何とか商品」。
販売者が、何となくプロっぽい雰囲気を出しながら、洗練された投資のようなフレコミで、中身がよくわからない商品を販売することは、今後も続くでしょう。
賞にノミネート。ただし取材費負担ください。信頼できるか疑問のランキングも
筆者の経営する会社あてに海外から1通のメールが届きました。
「アジアのトップ10 RIA会社にノミネートされました」といった内容でした。
(RIAは 登録を受けた投資アドバイザーで職業名称です。経営会社は投資助言業の登録を日本で行っております)
そこそこ有名な雑誌です。
かつての勤務先も日本のベストプライベートバンクにノミネートされた、といった記事を出していた経緯がありました。
ノミネートされた事へ感謝のメールを返信し、何回かやりとりをすると、
「取材をしたいので、取材費を負担してほしい」
といった内容のメールが来ました。
取材費を出さない結論で、ノミネート取消しに
取材費を負担すれば、写真入りで紹介する。
取材費を負担しなければ、写真はインタビュー記事はなく、ランキングで名前だけ発表する
といった内容でした。
私の経営会社は日本国内向け事業であり、海外主体メディアに取材費や広告費は払わないと告げました
結局、ランキングからは漏れてしまったようでした。
取材費を払わなくてもランキングには影響はない、とメールに記載があったのにもかかわらず、です。
実質、広告タイアップのランキング企画には、このような構造のものが多く見られるのです。
「ランキングにノミネートされている」
といっても、金銭を払った者が優遇されるようなランキングを信じてはいけません。
過去にグルメサイトの評価が、やはり利用料を払った店が優遇されているケースもありました。
一方、販売数だけを根拠とする、大手通販サイトのような、ある程度信頼できるサイトもあります。
消費者、投資家が被害にあわないためにどうすればよいでしょうか?
再び2009年記事、レモンとリテラシー
1,周りの販売員(プロ)がすべて良心的なモラルを持ち合わせていることを期待する
2,自分自身で騙されないように判断できる力を持つ
金融リテラシーという言葉があります。「金融や経済に対してその情報を使いこなす能力」と筆者は定義をしています。
このおカネ学のコラムを通じてパーソナル・ファイナンスについて知ることで、読者の方の金融リテラシーが向上する機会になることの一助になれば幸いです。
原文 2009.10 一部表現修正
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