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施主・近隣住民から、建設現場は常に見られているという、意識を持つ大切さ

2015年8月31日 公開 / 2015年9月7日更新

テーマ:建築業(工事現場)に従事する方全般のマナーアップ講座

コラムカテゴリ:ビジネス

現場のマナーは施主のマナー

例えば予定通りの着工をしているか、時間は守っているか、タバコや電話のマナーは徹底されているか、近隣住民の方からは、現場の一挙手一投足を見られていると思っていいでしょう。


設計図を開く男性作業員


近隣の方からの現場の評判が悪くなって結果的に困るのは、現場工事を依頼された施主の方々といえます。
現場の人間は工事の期間が終わればそこから離れることはできますが、施主の方々は、現場の残していった悪評とともに、そこに住み続けなければならないのです。
ですから、現場でのマナーを徹底することは、ご依頼頂いた施主の方々の未来を建物だけでなくより良い人間関係に結びつけるのであるということを、心にとめて作業をすることが必要です。

施主への配慮

施主の方は工事中たくさんのことに気を使っています。ご近所に対してもそうですが、工事現場での作業に従事する人にも、大変気を遣う施主さんもいらっしゃいます。お昼の時間にはコーヒーやお菓子などの差し入れをしたほうがいいのか…、明日の差し入れはどうすれば…、と気配りなさる方もいらっしゃることでしょう。
いい家を建てて欲しい…暑い中、自分達の建物の為にご苦労頂いている…。
という、気持ちの表れでもあります。

施主の方にしてみると、工事開始から完成するまでの間、今まで考えの及ばなかったところにまで気を遣うことも多く、金融機関でのやり取りや多くの書類といった大事な用件を抱え、ストレスを感じる方もいらっしゃいます。
このように、現場にとって有難い「差し入れ」も、工事現場が施主の方の自宅から遠い場合や、お仕事をなさっている方にとっては、決まった時間に差し入れをすることが、毎日となるとだんだんストレスになることもあるでしょう。
ですから工事従事者は、もし差し入れなどをいただいたときには「どうぞ、お気遣いは不要ですので。お気持ちだけで、十分です」ということを、「ありがとうございます」のお礼とともに伝えることが、相手のお気持ちを事前に察して出来る、工事関係者側からの配慮といえます。

施主へのマナー

まず、基本的な認識として、工事中の建物の権利は施主にあっても、工事現場内で施主が安全を守るヘルメットや靴を履くことなく自由に立ち入ることはできません。それは規則というよりは、施主と業者間とのルールのようなものだと思います。

ですが、施主の方々が現場に足を運んで、工事の進捗具合や現場の様子を見に来ることは多々あります。施主の方からしてみると、自分がなにもできなくても、気になるものですよね。事前に電話をして行くこともあれば、遠くから見るだけだと決めて、ふらっと立ち寄ることもあるでしょう。工事関係者の予期せぬ時にも、施主そして近隣の方々は現場の働きを見ているのです。
そのように立ち寄った現場での作業員同士の会話から、施主の方が耳を疑うような言葉遣いをしていたり、不快な行動をしていたら(工事で出た産廃屑と一緒に片づけるから…と、コーヒーの缶やパンの袋などといったごみなどもすべて建物内に転がっていたら…)施主のみなさんは、どう思うでしょうか?
いくら床材を貼る前であっても、残念な気持ちで一杯でしょう。
そして、建てられた全ての箇所が本当に大丈夫なのだろうか…?といった、信頼関係にまで及びます。

施主の方がたまたま見に来た時に、そして近隣住民の方々といった、いつ誰に見られても大丈夫な行動と態度でしょうか?言葉遣いでしょうか?身なりでしょうか?
建設現場はいつ誰に見られているかわかりません。完成し建物をお引渡しした時に、施主の方より心から「ありがとう」と言われる為にも…。
そしてその土地で建築物が完成したというハード面だけではなく、これからその建築物に人が行き来することで、ソフト面でも素晴らしい拠点となるためにも、現場の工事従事者のマナーが問われているのです。

この記事を書いたプロ

谷澤優花

人を敬う心“接遇”を伝えるビジネスマナーのプロ

谷澤優花(谷澤優花)

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